ペインクリニック・麻酔科

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Pain clinic and the department of anesthesia ペインクリニック・麻酔科

ペインクリニック・麻酔科

ペインクリニックとは種々の痛みを専門的に診る診療科です。

“ペインクリニック”とは「痛みの治療を専門に行っている施設」を指します。
当院では、急性や慢性の様々な痛みはもちろんのこと、しびれや冷え、こり、麻痺などの治療も行っております。
治療には、神経ブロック療法、トリガー・ポイント注射、薬物療法、漢方薬や鍼治療など、あらゆる手段を駆使しております。
“ペインクリニック”での治療の中心となる“神経ブロック療法”、“トリガー・ポイント注射”などの特殊な注射では、歯科での抜歯の際に用いるような局所麻酔薬を主に使用しますが、「麻酔」ではありません。
「麻酔をかけて痛みを取っている」と誤解されることが多いようですが、決してそうではなく、痛い部位や痛みを伝える神経の近くに局所麻酔薬を注入するのです。

ペインクリニック・麻酔科

「注射は痛い」と思われがちですが、極めて細い特殊な針を用いますので、それほど痛みはありません。
万が一、注射に対して恐怖心をお持ちの方には、東洋医学的治療やレーザー治療などもあわせて行っております。お悩みの方は一度ご相談ください。

Nerve block神経ブロック

神経ブロック

神経ブロックとは、痛みを伝える知覚神経、その痛みの慢性化に関与する交感神経節に針を刺して、主として局所麻酔薬を注入することで痛みの伝達を遮断する治療法です。血流を改善して、発痛物質を洗い流し、自然治癒を促進します。
局所麻酔薬の効果は1時間程度ですが、その間に痛みのもとになっている物質を洗い出し、身体のなかにある痛みを抑える物質を動員し、痛みを止めます。また、血液の流れを調節している交感神経(自律神経の一種)に局所麻酔薬を注入することにより、縮んでいた血管が開き血流が改善され、手足のシビレや冷え、肩こりが軽快します。

顔面神経麻痺の場合にも、顔の筋肉の血の巡りを良くすることが治療となります。これらの治療を繰り返し行い、痛みや血流不全、麻痺などを永久的に無くします。

星状神経節ブロック

星状神経節は、首に左右一対存在する長さ3㎝の交感神経の合流点(神経節)です。星状神経節ブロックとは、この部位に局所麻酔薬を注入することで、交感神経の機能を一時的に押さえ込んで、血管を拡張して血液の流れを改善する治療法です。交感神経の遮断により、顔面、頭部、上肢、上胸部の血管が拡張し、血液の循環が良くなります。交感神経を遮断することで痛みの悪循環と呼ばれる痛みの慢性化を作り出す機構を抑え込むことができるのです。
適応範囲は広く、頭部から胸部の痛みや、しびれ、麻痺、血流障害などをきたす疾患が対象です。

【主な適応疾患】
種々の頭痛、帯状疱疹痛、帯状疱疹後神経痛、複合性局所疼痛症候群、幻肢痛、顔面神経麻痺、突発性難聴、アレルギー性鼻炎、網膜色素変性症、網膜中心動・静脈閉塞症、頸椎椎間板ヘルニア

トリガーポイント注射

“トリガーポイント”(疼痛誘発点)とは、わかりやすく説明すると、「最もコリの強いところ」、「最も痛みが強いところ」、「圧迫により痛みが拡がるところ」です。
多くのトリガーポイントは、直接的な外傷や慢性の筋肉疲労などによって発生し、筋肉、または筋膜が緊張している部位に存在します。一方で、内臓の異常によっても、肩や腰の周辺にトリガーポイントが作り出されます。例えば、肝臓、胆嚢疾患だと右肩から背中に、心臓、膵臓では左肩から背中に、尿路結石症では同側の腰にという具合です。

トリガーポイント注射

これらは内臓体壁反射と呼ばれ、内臓からの関連痛によって、トリガーポイントが形成されるのです。
トリガーポイント注射では、局所麻酔薬と副腎皮質ステロイド薬を混和した薬液をトリガーポイント内へ注入します。これにより、痛みの悪循環を遮断して血流を改善し、筋肉の緊張を和らげ、体内に存在する痛みを作り出す物質を洗い流します。
どんな痛みでも、慢性痛が形成される前に、処置を行うことが肝要です。

【主な適応疾患】
肩こり、緊張型頭痛、筋・筋膜性疼痛症候群、線維筋痛症、頸椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など

硬膜外ブロック(腰部、胸部、頚部、仙骨部)

硬膜外腔は、脊髄の背側に存在し、脊髄の防御と固定に関係しています。首の付け根から尾骶骨の上部まで続く、幅数ミリの隙間です。
硬膜外ブロックでは、この隙間に薬液を注入します。従って、頭部と顔面を除く、首からつま先の痛みやしびれ、上肢、腰、四肢など、ほとんどの部位の痛みに対して用いることのできる治療法で、多くの疾患が対象になります。

The main condition 主な症状

痛み、シビレ、こりを主体とするもの

1 帯状疱疹(ヘルペス)による痛み、帯状疱疹後神経痛(助間神経痛など)
2 頭痛(片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛、その他の頭痛)
3 後頚部から肩、手にかけての痛み(外傷性頚部症候群、頚椎症、頚椎骨軟骨症、頚椎椎間板ヘルニア、胸郭出口症候群、肩甲助骨症候群、肩こりなど)
4 肩関節の痛み(四十肩、五十肩、腱板断裂)
5 肘関節の痛み(テニス肘、野球肘)、腱鞘炎、手根管症候群
6 腰から下肢の痛み(いわゆる腰痛症、ぎっくり腰、腰椎椎間関節症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離すべり症、脊柱管狭窄症、腰の手術後に再発する痛みなど)
7 各種疾患による股関節、膝関節の痛み
8 手術創の痛み、不快感(瘢痕性痛症候群)
9 手足の切断後の痛み(断端痛、幻肢痛)
10 複合性局所痛症候群(カウザルギー)、求心路遮断性痛、肩手症候群(脳卒中後の痛み)、視床痛
11 閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎(バージャー病)、レイノー症候群
12 その他(関節リウマチ、膠原病、痛風、糖尿病、悪性腫瘍などによる痛み)

耳鼻咽喉科、眼科と関連するもの

1 顔面神経麻痺(ベル麻痺、ラムゼイハント症候群)
2 顔面けいれん、眼瞼けいれん
3 突発性難聴、耳なり、花粉症(アレルギー性鼻炎)
4 網膜色素変性症、網膜中心動・静脈閉塞症

その他

痙性斜頚、自律神経失調症、更年期障害、多汗症など

当院では、日本ペインクリニック学会認定医による西洋医学(神経ブロック療法)と日本東洋医学会専門医による東洋医学(鍼治療、漢方薬治療)を併用しております。また、各種内科疾患につきましてもご相談下さい。

医師 森本眞美 ●日本麻酔学会専門医
●日本ペインクリニック学会専門医
医師 森本昌宏 ●近畿大学医学部麻酔科 教授
●日本麻酔科学会指導医
●日本東洋医学会専門医・指導医
●日本ペインクリニック学会理事
●日本慢性疼痛学会理事
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